吊り橋

吊り橋効果とは、恐怖や不安を一緒に体験した人に恋愛感情を持ちやすくなる心理効果のことです。1947年、カナダの心理学者ダットンとアロンが行った「生理・認知説の吊り橋実験」によって実証されました。

この実験は、18歳から35歳までの独身男性を、揺れる吊り橋と揺れない吊り橋の上を渡、それぞれの橋の真ん中で若い女性に「アンケートにご協力ください」と話しかけられるというもの。

簡単なアンケートに答えたのち、女性が「結果に興味があるなら、後日電話をください」と連絡先を渡したところ、揺れない吊り橋を渡った男性からの電話は1割程度だったのに対し、揺れる吊り橋を渡った男性からは、ほとんど全員から電話がかかってきた、という内容です。

このことから、緊張体験を共有した異性に対しては恋愛感情を抱きやすいことが明らかになり、吊り橋効果は別名「恋の吊り橋理論」とも言われています。

人は、外的な要因でドキドキしても、恋愛のドキドキと勘違いしてしまう傾向があるもの。ピンチに陥った二人が危機を乗り越えていくうちに、だんだん恋愛関係になっていくのがまさに吊り橋効果と言われるものです。

吊り橋効果の持続性はアテになる?!

吊り橋理論では、「人間はドキドキを感じることで、相手をドキドキさせるシチュエーションを意識して作り出すようにすると、恋愛していると認識する」と言われています。

ゼクシィが行ったアンケートによると、20代~30代の女性の11%が吊り橋効果で恋愛感情が芽生えたことがあると答えました。

彼女たちは、以下のようなシチュエーションで実際に恋愛感情が生まれたと答えています。

・肝試しで真っ暗闇の中を男性とふたりで歩いていたら、今まで何ともおもっていなかった人なのにステキに見えた(26歳)

・ジムでトレーニング中に見えるインストラクターは誰でも魅力的!私の心拍数が上がっているから!?(39歳)

・スノーボードの練習中、怖くてドキドキしている私の手を取ってくれたり、リフトで気を使ってくれた人が気になってしまった(31歳)

・部活で先生に怒られた時、一緒に怒られていた子に仲間意識から恋心を抱いてしまった(24歳)

吊り橋効果は、脳内物質が放出されてドキドキしているのが条件なので、この例のように運動によって肉体的に興奮していたり、恐怖心を感じているときに起こります。

「吊り橋効果」は信頼関係が前提になります。

結論としては、「吊り橋理論」は男性には有効であるが、女性には効果がないということになってしまいました。

NHK Eテレで放送された「大心理学実験」によると揺れる吊り橋への恐怖心のみならず見知らぬ男性への警戒心が強く作用して、「吊り橋理論」の効果より強くなったのが原因であると考えられます。

参加者の女性の心理は、揺れる吊り橋への恐怖心と見知らぬ実験者の男性への警戒心というダブルのストレスに晒されてたことになります。

女性の頭の中には逃走ホルモンと呼ばれる「ノルアドレナリン」という物質がいっぱいになり、逃げるのに精一杯になってしまうので、好意の入り込む隙がなくなってしまいます。

以上のことから、「吊り橋理論」の効果を得るためには、彼女との信頼関係が構築されていることが前提になります。

吊り橋効果は一時的に効果が現れるだけで継続するものではありません。ダットン教授の心理実験に登場したアンケートの女性は、若くて魅力的な女性でした。

だからある程度持続力があったのですが、普通の容姿だと長時間だまし続けられません。効果はその日限りのものと考えておきましょう。

「吊り橋理論」の効果が働くシチュエーションとしては、絶叫マシンやお化け屋敷、ホラー映画などがあげられますが信頼されている、あなたと一緒なら彼女も警戒感もなく、「吊り橋理論」の効果が期待できるはずです。

そして、これらのシチュエーションで彼女が恐怖を感じた時には、さらに愛を深めることができるでしょう。