亜鉛は人体にとって重要な微量ミネラルの1つです。ミネラルとはmine(鉱石)から由来し、身体を維持するのに必要な5大栄養素の1つ。自分の体では合成できないため、外から摂取する必要があります。

生体内の300以上の酵素反応に関与しているといわれており、その効果は全身におよびます。

アルツハイマー型認知症では健常者の方に比べ亜鉛の減少が見られることが複数の臨床研究データーで明らかにされています。

 

コーヒーが亜鉛の吸収を妨げる?
カフェインとポリフェノールは亜鉛の吸収を妨げてしまう効果もあります。

推奨される一日の亜鉛必要量は成人男性で11㎎成人女性8㎎です。

他にも、アルツハイマーを起こす原因は沢山あります。実際にかかってしまったら、どの原因で認知症になったのかを考えて、その原因を徹底的に除去しないといけません。しかし、まだかかっていない場合、いくつもある可能性はどれもできる限り避ける方法を考えないといけません。糖質制限は基本中の基本です。他には、鉛やアルミは避けないといけません。古い虫歯の充填物に鉛が含まれるものもあるそうです。魚の鉛は水俣病で有名ですが、食物連鎖からマグロ(ツナ)が要注意です。アメリカではツナは妊婦さんは食べないように指導されています。サバやサーモン、イワシ、アジなどは大丈夫なようです。

料理に使う銅なべ、アルミ鍋やアルミ箔も要注意です。これは10年以上前から指摘されています。なべは鉄かホーローが安全です。逆にできるだけとった方がいい金属としては、亜鉛とマグネシウムです。亜鉛はビール酵母に沢山含まれるのでエビオスもいいとおもいます。マグネシウムはにがり成分です。私はサンゴ(炭酸カルシウム)が何万年かかけて海の中でマグネシウムと反応してできた炭酸マグネシウム・カルシウムのドロマイトというサプリを飲んでいます。

ビタミン不足が認知症を引き起こす可能性がある、と聞くとみなさん驚かれるでしょうか。
実はビタミン不足が認知症を引き起こす可能性があるとされています。

ビタミンCは肌のケアに欠かせない、風邪の予防にも効果があるということはご存じでも、認知症にも関係していることをご存じの方は少ないと思います。

次の項目から、ビタミン不足が認知症の発症の原因になるメカニズムを解説いたします。
ビタミンは、種類によってさまざまな働きをします。
なかでも抗酸化作用のあるビタミンは認知症に有効で、欠乏すると認知症発症リスクが高まるといわれています。

ビタミンが欠乏すると、なぜ認知症が発症しやすくなるのでしょうか。
それは脳細胞がもつ特殊性にあります。

ビタミンの欠乏は脳の酸化ストレスをもたらす
まず、酸化ストレスとは何かをご説明しましょう。

酸化ストレス
人間は酸素を取り込んで生命を維持しています。
取り込まれた酸素のうち余った酸素や外部の刺激を受けた酸素は活性酸素に変化します。

この活性酸素は細胞を伝達したり免疫作用を持っていたりと、いい面もあるのですが、細胞を傷つけるという悪い面もあります。
通常、活性酸素は適切に排除されますが、活性酸素の力がより上回った場合、細胞を傷つけ始めるのです。
これを酸化ストレスといいます。

脳細胞は老化の早い臓器
さて、脳細胞は他の細胞とは違う特殊性をもっています。
通常は、古い細胞は破壊され新しい細胞に取って代わる新陳代謝が常に行われています。
ところが脳細胞は、一度死滅すると再び新しい細胞に代謝されるということはありません。

また、脳をおおっている膜は柔らかいことがだいじですが、柔らかさを保つために脳膜には不飽和脂肪酸という物質がたくさん含まれています。

この不飽和脂肪酸は、とても酸化に弱い物質なのです。
さらに、脳は酸素を大量に消費する臓器です。
したがって生成される活性酸素も多くなります。

ただでさえ脳細胞は酸化に弱い臓器なのに、細胞を傷つける活性酸素が大量に発生する環境にあります。
それでいて脳細胞は一度壊れた細胞が代謝されることがありません。

つまり、脳は老化するのが早い臓器だといえます。

ビタミンの役割
そこで、ビタミンの役割ですが、ビタミンの働きのひとつに「抗酸化作用」があります。
これにより、活性酸素による酸化ストレスを抑える働きがあるのです。

逆にいえばビタミンが不足すると、活性酸素の働きで酸化ストレスが起こり、脳が傷ついて老化が促進されます。
ひいては、認知症につながっていくのです。

 

認知症に対するビタミンの役割

ビタミンの役割ですが、ビタミンの働きの一つに抗酸化作用があります。
活性酸素による酸化ストレスを抑える働きがあるのです。

酸化ストレスによって脳が損傷を受けないようにするためにもビタミンは大切であるといえます。

しかし、ビタミンが不足すると、活性酸素の働きで酸化ストレスが起こり、脳が傷ついて老化が促進されます。
そして、認知症につながっていきます。

したがって、認知症を発症させないためにもビタミンを日頃から摂取していきましょう。

認知症の抑制と特に関係の深いビタミン
抗酸化作用のあるビタミンはいろいろありますが、なかでも認知症に効くビタミンとして、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEが検討されてきました。
近年ではこれらに加えて、ビタミンB群も効果があるとされています。

そのなかでも特に、認知症の抑制に関係があるとされたビタミンは、ビタミンB、ビタミンCです。

ビタミンBと認知症の関係

ビタミンB群のなかでもビタミンB6とビタミンB12は認知症と関係があります。

発症
ビタミンB12が欠乏すると、ホモシステインが細胞から血液中に移行します。
また、ビタミンB6の欠乏もホモシステインが蓄積し、血中濃度を高くしてしまいます。

ホモシステインはアミノ酸の一種で、ホモシステイン血中濃度が高くなって高ホモシステイン血症になると動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化は脳梗塞や脳出血を引き起こし、血管性認知症を発症させることがあります。

予防
ビタミンB6、ビタミンB12が含まれる食材を摂取して、ホモステインの蓄積を軽減することができます。
そのため、ビタミンB6、ビタミンB12を摂取することは大切です。

そのほか、豆類やモロヘイヤといった葉酸を含む食べ物をとることもいいでしょう。
葉酸はビタミンB6、ビタミンB12と協調してホモシステインを抑える効果があります。

ビタミンCと認知症の関係
ビタミンCもまた、強い抗酸化作用をもつビタミンです。

ビタミンCは酸化ストレスを軽減してくれるだけでなく、アルツハイマーの危険遺伝子を抑制してくれる働きがあることもわかってきました。

予防
ビタミンCは水溶性のビタミンであるため、多く摂取したとしても尿として排出されます。
したがって、毎日しっかり摂取することが大切です。

厚生労働省によって定められているビタミン接種の推奨量は100ミリグラムです。
毎日、食事から推奨接種量を摂ることは大変であるため、ビタミンCを含む飲料水やサプリメントを利用することも効果的です。

ビタミンの多い食材

認知症に関係のあるビタミンとして、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンCをあげて解説してきました。
ここでは、それぞれのビタミンを多く含む食材をご紹介します。

ビタミンB
ビタミンB6,ビタミンB12を多く含む食材は以下になっています。

ビタミンB6を多く含む食材
赤身肉
鶏肉
マグロ
バナナ
カツオなど
ただし、ビタミンB6は、冷凍したり加工したりすると減少する性質があります。
できるだけ新鮮なうちに摂取するようにしましょう。

ビタミンB12を多く含む食材
しじみ
牛レバー
あさり
鶏レバー
煮干しなど
ビタミンB12は、水溶性のビタミンですから、接種した量の大半は尿として排出されます。
できるだけコンスタントに摂取することをおすすめします。

ビタミンC
ビタミンCを多く含む食材として以下になっております。

果物
アセロラ
ゆず
キウイフルーツ
すだち
レモンなど
野菜・イモ類
赤ピーマン
ブロッコリー
豆苗
サツマイモ
ジャガイモなど
ビタミンCは熱に弱く、調理で加熱すると分解されます。
比較的加熱しても壊れにくい食材としては、ピーマンやパプリカがあげられます。

ビタミンCの摂取を目的にした料理には、加熱しすぎないことに注意しましょう。
また、電子レンジを使った料理は比較的壊れにくいので、電子レンジを使うのも一つの方法です。

 

不足しやすいビタミン

人によって不足しがちなビタミンが違います。
ここでは、運動する方に不足しやすいビタミン、女性に不足しやすいビタミンを紹介していきます。

運動する方に不足しやすいビタミン
ビタミンB群=糖質や脂質を効率よく分解
ビタミンC=抗酸化作用がある
ビタミンE=抗酸化作用がある
女性に不足しがちなビタミン
ビタミンB6=皮膚や粘膜の健康維持を助ける
葉酸=赤血球の形成を助ける
ビタミンD=骨の形成を助ける
ビタミンB12=赤血球の形成を助ける
ビタミンC=皮膚や粘膜の健康維持と抗酸化作用

 

まとめ

 

・ビタミンの欠乏が脳の酸化ストレスを引き起こすため、ビタミン不足によって認知症が発症することがある
・認知症と特に関係の深いビタミンはビタミンB群、ビタミンC群

カルシウム不足による自覚症状
カルシウム不足に陥ると体には下記のような異変がおこります。もし、あてはまる事があればカルシウム不足を疑ってみましょう。

・まぶたがぴくぴくと痙攣する
・運動もしていないのに足がつる
 これらはカルシウム不足による筋肉の活動低下が原因です。

・もの忘れが目立つ
・ストレスを強く感じる
 これらはカルシウム不足による神経細胞の活動低下が原因です。

カルシウム不足によるカルシウムパラドックスは、脳の血液中のカルシウム濃度も高めてしまいます。
すると、脳の神経細胞の動きをうまくコントロールすることができなくなり、ストレスを強く感じるのです。

脳の血液中のカルシウム濃度がさらに高くなると痴呆症状を引き起こす原因にもなります。
また、脳血管の動脈硬化から、脳卒中を引き起こす原因ともなるのです。

骨の健康に欠かせない栄養素「骨のゴールデン・トライアングル」
 “丈夫な骨といえばカルシウム” とすぐ思い浮かぶほど、カルシウムは骨にとって大切な栄養素です。健康な骨づくりのためには、「カルシウム」「ビタミン D」「ビタミン K2」の3つの栄養素をバランス良く摂り、カルシウムを体内できちんと吸収し、 骨への沈着を促すことが大切です。これを『骨のゴールデン・トライアングル』と呼びます。
 カルシウムは骨や歯の材料になり、骨に欠かせない栄養素であると同時に、あらゆる細胞の機能や神経の伝達に不可欠な物質であるため、常に血中に一定濃度が保たれている必要があります。食事からのカルシウム摂取が不足した場合には、骨を溶かしてカルシウムを取り出して使います。このため、カルシウムが不足すると骨や歯がもろくなりやすくなります。
 ビタミンDは、骨の健康に役立つ脂溶性ビタミンです。腸管からのカルシウムとリンの吸収を助け、血液中のカルシウム濃度を高めて骨の形成や骨の石灰化を促進します。
 そして、もう一つ重要な栄養素であるビタミンK2は、微生物により作られ、骨の強化に役立つ脂溶性ビタミンです。骨形成の際に必要な「オステオカルシン」というタンパク質にも関係しています。ビタミンKの中でも、納豆由来のビタミンK2は栄養状態をより長く維持できることがわかってきています。不足すると骨粗しょう症の原因にもなります。

骨のゴールデン・トライアングル
Ca…骨の材料になる D…カルシウムの吸収を高める K2…カルシウムの骨への沈着を助ける
ビタミンK2の新たな効果
 先に述べたとおり、カルシウムを骨に沈着させる重要な役割を果たすビタミンK2ですが、「オステオカルシン」の働きにより、骨にカルシウムを運ぶだけでなく、適切な部位に留めるよう調節していると考えられています。55歳以上の約4,800名を対象とし、10年間研究された例では、ビタミンK2摂取量が多いほど心臓病の発症率、死亡率、動脈石灰化度が低いことが判明しています。これは同じビタミンKの中でもビタミンK1には見られませんでした。

心臓病の発症率・心臓病による死亡率・動脈の石灰化
Geleijnse et al. (2004) J. Nutr. 134, 3100

 また別の研究で、女性ホルモンの影響を受け、骨粗しょう症を発症しやすい閉経後の女性約240名を対象とし、2群(プラセボ対比)に分けビタミンK2(MK-7)180μg(日)を3年間摂取した試験では、ビタミンK2(MK-7)を摂取した群において、動脈の硬さが改善され、特に弾力性が硬い人に対して良い効果を示したことも明らかになりました(Knapen et al. (2015) Thromb Haemost. 113, 1135)。すなわち、ビタミンK2は、骨の石灰化を促進し、血管の石灰化を抑制することで、骨と血管の健康に役立つことから、現代における重要な栄養素の一つであり、これからますます注目されていく栄養素となるでしょう。

どのくらい摂取すれば良いか
 先に述べたとおり、「日本人の食事摂取基準」は5年ごとに改訂され、食環境などをふまえた摂取量の見直しが行われています。ここで注意すべきことは、摂取の指標設定は各栄養素ごとに定められ、欠乏充足実験や介入研究によるデータが十分にないため、健康な者を対象とした観察研究を基に「目安量」等が設定されていることです。
 ビタミンKを例にあげると、各国で定められているビタミンKの必要量/推奨量等は、正常な血液凝固を維持するのに必要な量を基準に定められています。健康な人の摂取中央値を基準にしており、骨折予防効果を考慮したものではありません。ビタミンKが骨に必須であることが明らかになったのは近年であり、まだ十分に認識されていません。多くの国で設定されているビタミンKの必要量(約1㎍/日/kg体重)では、骨の健康に役立つ効果には十分ではないことも研究で分かってきています。

72μg/日のビタミンK摂取では、オステオカルシン活性率が低下する
72μg/日のビタミンK摂取では、オステオカルシン活性率が低下する
多くの国で設定されているビタミンK必要量(約1μg/day/kg 体重)では、
オステオカルシンの活性化には不十分である。
Sato et al. Nutrients (2020) 12, 965

 また昨今では、納豆摂取量と骨折リスクについて研究も行われています。骨粗しょう症を発症しやすい閉経後の女性約1,400名を対象とした約15年間にわたる追跡調査では、納豆を週7パック以上食べる人において、骨折頻度が大幅に低いとの報告があり(Kojima et al. The Journal of Nutrition 2020)、納豆に含まれるビタミンK2(MK-7)の影響によるものと推察されています。

 現代の日本においては、旧来の栄養失調のような生存に最低限必要な栄養不足状態になることは少なくなっており、疾病の予防に必要な栄養素が不足する新型栄養失調が懸念されています。食事摂取基準においては、病気のリスクを高めないよう検討されることが多いですが、ビタミンのような微量栄養素は薬と異なるため、日々の食事でわずかながらも摂取し続けることが健康の維持に役立つのです。予防医療に役立ち、医療費負担の軽減にもつながることから、今後ますます重要になっていくでしょう。

静岡県立総合病院 リサーチサポートセンター 臨床研究部⾧
田中 清 氏

京都大学医学研究科(内科学)修了。医学博士。高齢者におけるビタミン欠乏症・QOL調査、骨粗しょう症の臨床研究を主に研究。日本病態栄養学会誌編集委員長。日本栄養・食糧学会近畿支部前支部長、NPO法人京滋骨を守る会事務局長、日本人の食事摂取基準策定WG委員(2010・2015年版・2020年版)などを務める。

認知症にも関係するビタミンD不足が問題に
ビタミンDは、体内へのカルシウムの吸収や骨の成長の促進、血中カルシウム濃度の調整のほか、免疫機能を調整する重要な働きをする栄養素の1つです。

2022年のアメリカのタフツ大学ジーン・メイヤーUSDA加齢人間栄養研究センターの研究グループの報告によると、脳内のビタミンDの量が多い高齢者は明晰な頭脳が維持される可能性が高いと発表されていて、脳にとっても大切な栄養素です。

けれども、東京慈恵会医科大学の研究グループが2023年に医学誌『Journal of Nutrition』で発表した研究によると、日本人の98%がビタミンD不足であることが明らかになりました。

この研究は、2019年4月~2020年3月に東京都内で健康診断を受けた5,518人を対象に調査を実施したものです。

その結果、ビタミンDの濃度は、女性で7~30ng/mL、男性で5~27ng/mL、全体の平均で6~29ng/mLとなり、健康な人の98%がビタミンD基準濃度である30 ng/mLに達していないことがわかりました。

グラフ)血清中のビタミンD量ごとの人数

さらに、測定されたビタミンDのほとんどは、サケやサンマなど魚の動物由来、あるいは日光にあたりビタミンDを生成する日光由来のビタミンD3であり、シイタケなどの植物由来のビタミンD2は、ほぼ検出されませんでした。これは、日本人の食生活の変化によって、ビタミンD2が摂取されなくなったと推測されています。

ビタミンDは、野菜や豆などにはほとんどなく、シイタケやキクラゲのキノコ類のほか、サケ、サンマ、うなぎなど魚類に多く含まれています。

高齢者にとって、骨粗鬆症や骨折、認知症などの予防につながるビタミンDの摂取はますます重要になっています。ビタミンD不足を解消するためにも、日頃から積極的に摂るように食生活を見直すことが大切です。

出典):東京慈恵会医科大学(PDF)
アメリカ タフツ大学ジーン・メイヤーUSDA加齢人間栄養研究センター

川島隆太
株式会社NeU取締役 CTO、脳科学研究者

牛乳は体内のカルシウムが抜け落ち骨折しやすい体で大丈夫?